暴力団の実態
最近の暴力団の特徴について
最近の暴力団の特徴

一見して暴力団員風は昔の話、今は普通のサラリーマン風
昔は、代紋入りバッジに入れ墨、指詰め、パンチパーマ、派手な服装に強面の顔付き・目つきといった一見して暴力団員と分かる特徴で見分けができましたが、今は普通のサラリーマンと殆ど見分けがつかない服装や風体で近づいて来ます。
また、勧誘の態度も紳士的であり、笑顔を絶やさず、言葉遣いも丁寧で、巧みに甘い言葉を使い分けて勧誘します。
例えば、暴力団の世界とヤクザ映画を同一視し、その主役のような生き方をしたいという少年には「事務所でしばらく頑張れば、立派な幹部になれる」と言って事務所に連れ込んだり、お金を欲しがっている少年には「2~3日仕事を手伝えば大金が入る」と言って露店の手伝いや暴力団が経営する風俗店で働かせ、組へ加入させます。要は、「甘い言葉に気安く乗るな」、そして、「そんな甘い言葉で近づいて来る相手には気をつける、油断するな」ということに尽きます。
注:「代紋」とは、組の紋章のこと
暴力団は、最近、暴力団員であることを警戒されるので、それを避けるため、普通のサラリーマン風の格好や、紳士的な態度を装い、巧みに「甘い言葉」で勧誘しています。
Q&A
- どのような人材を求めていますか?
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暴力団の組織では、一旦盃をもらったら親分・子分の関係は、実の親子の関係より強く、絶対的なものと位置づけています。
組長や幹部の命令は絶対で逆らうことは許されず、実の親・兄弟より「組」に拘束されるので、自由はなく、親の死に目にすらあえません。
- 上からの命令には、絶対に逆らえないってホント?
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組長や幹部の命令には絶対服従です。これに逆らうことはできないので、無理と分かっている命令でも従わざるを得ません。
例えば、組長に「相手を殺してこい」と言われたら、これに逆らうことはできず、イヤでもやるしかありません。とにかく、自分の意思は一切通用しないのが暴力団の世界です。
- 失敗は、絶対許されないってホント?
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暴力団特有のルールが「掟」です。
組長や幹部の命令は絶対であり、その主なものが「反抗の禁止」「仲間を売る(密告、裏切り)ことの禁止」などです。
「掟」は冷酷残忍で、「掟」を破ることはもちろん、失敗も許されません。失敗しても、普通の世間のように言い訳や意見、文句などは言えません。
さらに「掟」により、暴力団の世界特有の「指詰め」という大切な指を切り落とす処分を受けた後に「破門、絶縁」といった厳しい処分が待っています。
- 暴力団に入ると自分の意思で脱退(組抜け)できないってホント?
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自由に脱退することは「組」が許しません。
一旦結んだ親分・子分の関係は絶対的なもので、自分の意思で暴力団を自由にやめることはできません。事情があり、仮に許してくれたとしても、組抜けの落とし前として「指詰め」や「法外な金」を要求されます。
- 暴力団は、自由がないってホント?
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本当です!
組に入ると、誰もがまず最初にさせられるのが組事務所の当番で、一日中、電話番の他、掃除や炊事までさせられ、彼女と遊ぶ時間なんてありません。
その上、いつも組長や幹部達の世話や使いっ走りばかりで、全く自由はありません。
- 見栄とハッタリばかりで、格好良くないってホント?
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暴力団は、「見栄とハッタリ」で生きていると言っても言い過ぎじゃありません。
「外車など高級車を乗り回すこと」「ブランド品を身につけること」「目立つ女性を連れ歩くこと」「札びらを切ること」で自分の存在を誇示します。これが、幹部達の「見栄とハッタリ」の4点セットで、少年達を「組み入れ」させるための誘いの言葉に使われています。
でも、ええ格好できるのは、親分や一部の幹部だけ、下の者はとてもそうはいきません。いつも金に困って、見栄をはるのもままならないのが現状です。
- 上からの命令には、絶対に逆らえないってホント?
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暴力団は独りになると弱い人間です。いつも「警察に捕まるのではないか」「組長や幹部に締められるんじゃないか」「敵からやられるんゃないか」と疑心暗鬼で不安定な精神状態に陥り、覚せい剤(シャブ、スピードとかS)を使用する者もいます。
覚せい剤を使用すると肉体や精神が冒されてボロボロになり、最後には廃人になってしまいます。
- 暴力団には、給料や小遣いがないってホント?
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組や幹部から給料や生活費などの支給はありません。
だから、組に入ると、生活費や小遣いは、自分で稼がなくてはいけません。
昔は、組の威力をちらつかせて、組が縄張りにする店から用心棒代やショバ代を稼いでいましたが、「暴力団対策法」や「暴力団排除条例」ができてからは、みんな賢くなって金を出さなくなったし、だからといって、ちょっと脅すとすぐ警察に捕まってしまう。
生活費や小遣いを稼ぐのはなかなか大変で、楽ではありません。
- 暴力団は、悪いことをしてお金を稼いでいるってホント?
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暴力団の伝統的資金源といえば、「覚せい剤、恐喝、賭博、ノミ行為」の4つと言われています。平たく言えば、犯罪行為によって金を稼いでいる「犯罪者集団」といえます。
また、暴力団には「上納金」という制度があり、組長や一部の幹部に金が集まる仕組みになっています。組員は、毎月決まった「上納金」を納めないといけません。
多くの暴力団員は、背に腹は代えられず、犯罪で生活費や小遣いを稼がざるを得なくなるのです。
- 暴力団員の家庭は幸せが薄いってホント?
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暴力団は、「犯罪者集団」です。警察に逮捕されるのは当たり前のことで、抗争でいつ死ぬかも分かりません。稼いだ金も組に吸い上げられ、生活費もありません。
暴力団に入ると、家族の愛も家庭の温かさも崩壊してしまいます。
また、「見栄とハッタリ」のため入れ墨を入れたり、組の「掟」で指詰めをしたり、犯罪を行ったりすることは、家族を泣かせたり、家族に肩身の狭い思いをさせることになります。